令和4年度厚生労働省予算概算要求 (キャリアアップ助成金)

先月、令和4年度厚生労働省予算概算要求について記事にしましたが、もう少し掘り下げて記述します。

雇用保険財政が逼迫するなか、雇用保険二事業のキャリアアップ助成金は令和3年度予算から約170億円減額の569億円を要求し、助成対象の重点化を図る。

正社員化コースは「有期」から「無期」に転換する場合を助成対象から廃止し、正社員待遇を受ける労働者に転換した場合に絞り込む

有期雇用労働者等に対し、正社員と共通の諸手当制度を設けた事業主を助成する諸手当制度等共通化コースは、同一労働同一賃金に係る裁判例の動向を踏まえ、対象とする手当を賞与及び退職金に限定。

名称も「賞与・退職金制度コース」(仮称)と変更する。

なお、正社員と共通化までは至らなくても、非正規雇用を対象とした賞与・退職金制度を新たに設けた場合も助成対象とする予定だ。

このほか、有期雇用労働者等の賃金規定等を2%以上増額改定した事業主を助成する賃金規定等改定コースは内容を簡略化

これまで対象労働者数が10人以下の場合は事業所単位で助成額を定めていたが、この枠組みを廃止し、対象労働者数に応じた助成額とする。

また、現行ではすべての有期雇用労働者等を対象として賃上げする場合と、一定の雇用区分別に賃上げする場合とで助成体系が分れていたが、同じ助成体系に統一するなどの見直しも行う。