副業・兼業に関する裁判例 十和田運輸事件(東京地判平成13年6月5日)

概要

運送会社の運転手が年に1、2回の貨物運送のアルバイトをしたことを理由とする解雇に関して、職務専念義務の違反や信頼関係を破壊したとまでいうことはできないため、解雇無効とした事案。

判決抜粋

原告らが行った本件アルバイト行為の回数が年に1、2回の程度の限りで認められるにすぎないことに、証拠及び弁論の全趣旨を併せ考えれば、原告らのこのような行為によって被告の業務に具体的に支障を来したことはなかったこと、原告らは自らのこのような行為について会社が許可、あるいは少なくとも黙認しているとの認識を有していたことが認められるから、原告らが職務専念義務に違反し、あるいは、被告との間の信頼関係を破壊したとまでいうことはできない。