休業者211万人で高止まり 

一昨日の日経新聞の記事によると、仕事に就いていても一定期間休んでいる「休業者」の数が高止まりしているとのことです。

2021年度は211万人で、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前を大幅に上回り、完全失業者より多い水準でした。

国の補助金を背景に、企業が雇用者を抱え込む状況にあり、必要な産業への労働移動を阻んでいる可能性があります。

業種別で休業者が多いのは宿泊業・飲食サービス業(25万人)、卸売業・小売業(24万人)などコロナ感染の拡大に伴う行動制限の影響を強く受けた業種です。

長期的には少子高齢化による人手不足が続くと予想し、企業は働き手を休ませて雇用を維持している状況です。

こうした企業の動きを後押ししているのが国からの補助金です。企業が支払う休業手当を支援する雇用調整助成金は4月下旬までに、5兆円超の支給が決まっています。

厚生労働省によると、一度でも支給を受けた企業のうち1年を超えて受け続けるのは約13%と、緊急対応を超えた受給が常態化しつつある企業も少なくありません。

需要が当面戻らない可能性のある産業もあり、このまま、常態化してしまうと望ましい産業間の労働移動を損ねる懸念もあるようです。

国も雇用調整助成金に頼らない支援の方法の検討を始めました。

雇調金による雇用維持が過度に続き、企業が人材の新陳代謝を先送りし続ければ、経済成長に欠かせない労働移動が阻まれる恐れがあります。

国は新しい補助金や助成金で企業に対して支援を始める際に、企業に効果的に周知を行う手法も併せて検討する必要があるのではないかと思います。

日経新聞2022年4月27日より引用