労働協約、地域同業に拡張

労働協約とは、労働組合と使用者間で賃金、休日、労働時間など労働条件に関して合意した取り決めのことであり、日本の場合は、企業単位で定めることが多いですが、労働組合法第18条では、地域において従業する同種の労働者に適用することができる規定を置いています。

今年4月から茨城県内のすべての大型家電量販店で正社員の年間休日数が111日以上になる地域型の労働協約が実行されますが、実に32年ぶりとのことです。

背景には、家電量販店の年間休日数が、主要企業よりも少ないことに家電量販店が危機感を持ち、労働組合からの働きかけを受け入れたようです。

地域的拡張は、もともと業種別の労働協約で同一労働同一賃金を定めてきたドイツやフランスのジョブ型雇用システムと表裏一体で発達してきた経緯がありますが、同一労働同一賃金が進めば、日本でもこうしたケースが増える可能性があります。

日経新聞2022年2月7日より引用

(地域的の一般的拘束力)

第十八条 一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第二項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。