東京都は16日、都内で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者1人を確認したと発表した。感染者の濃厚接触者1人の新型コロナ陽性も判明した。確定していないものの、都は濃厚接触者も「オミクロン型の可能性が高い」とみる。濃厚接触者は陽性判明前にサッカー観戦をしており、都はスタジアムで周囲にいた観戦者の特定を急ぐ。
オミクロン型に感染したのは都内在住の20歳代の女性。8日に米国から帰国し、成田空港の検疫では陰性だった。自宅待機中に発症したため、PCR検査をしたところ陽性と分かった。16日にゲノム解析でオミクロン型の感染が確定した。現在は医療機関に入院している。症状はほとんどないという。
濃厚接触者は都内在住の20歳代の男性で、8日と9日に女性と会った。男性は15日に新型コロナ陽性と判定された。「デルタ型」は確認されなかったため、オミクロン型に感染している可能性が高いとみられる。男性も医療機関に入院している。オミクロン型かどうかを判別するゲノム解析の結果は早ければ17日に出る。
男性は陽性判明前に出勤していたほか、12日には等々力陸上競技場（川崎市）でサッカー天皇杯準決勝の川崎フロンターレ対大分トリニータ戦を家族と観戦していた。都は女性が搭乗した航空機の同乗者に連絡するとともに、男性の職場の同僚7人や男性の近くで観戦していた約80人にもPCR検査をする。
都は競技場にいた約80人と連絡をとるため、川崎市を通じて大会主催者の日本サッカー協会から住所や氏名が分かる名簿を取り寄せている。日本サッカー協会によると、男性は観戦時にマスクを着用し、会話や発声をしていなかったという。
松野博一官房長官は16日の記者会見で、12日に競技場にいた観戦者へ「体調が優れない方はできるだけ外出を避け、医療機関を受診するようお願いする」と呼びかけた。濃厚接触者が確認されており「市中感染が発生したものとは考えていない」と強調した。
日経新聞電子版2021年12月17日より引用
国内でも濃厚接触者が感染に気付かずに外出する事態が発生しました。感染された方の早期回復をお祈りいたします。これから市中感染のリスクが高まったので、感染予防に力を入れて、手洗いや消毒をしていきたいです。