新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」へのワクチンの効果が注目を集める。
米ファイザーなどは3回目接種をすると、血中の抗体の働きが従来のウイルスに対する働きと同程度まで高まることを確認した。専門家は「感染や重症化を防ぐ効果が期待できる成果」という。国内で追加接種に使う米モデルナ製についても同等の効果があるとみており、供給量の確保と円滑な接種が課題だ。
ファイザーと独ビオンテックは8日、ワクチン効果を探る初期の調査結果を発表した。3回目接種から1カ月経過した人の血液に含まれる抗体の量を調べた。オミクロン型を防ぐ抗体の量は2回接種した人の25倍に増えた。2回接種した際に従来の新型コロナに対する抗体の働きと同程度になったという。
英エディンバラ大学のエレノア・ライリー教授は「感染や重症化に対する高い防御効果が得られることを示唆している」と評価する。追加接種で抗体の量が増えるなど、免疫が活発になるためだと考えられる。
ファイザーは2回接種でも「重症化予防には役立つ」という。ただ国際医療福祉大学の和田耕治教授は「重症化のリスクは年齢や接種してからの時間によっても異なる。実際に感染した人のデータを見ないとはっきり分からず、引き続きデータを注視する必要がある」と指摘する。2回接種では「感染防御には十分ではない可能性がある」(ライリー教授)という声が多く、その点はファイザーも認めている。
ワクチン接種によって身につく免疫の働きは抗体だけではない。感染した細胞を倒す仕組みなども活発になる。こうした働きは変異の影響を大きくは受けにくいことがオミクロン型の実験でも確認されている。
免疫の働きは、抗体だけではなく、感染した細胞を倒す仕組みも活発になることは初耳でした。2回目接種については、重症化するかどうかはもう少し事例収集が必要なようです。3回目接種が科学的にっも効果があることが実証され、重要性が分かりましたので、早く3回目の接種が受けられることを願います。
日経新聞電子版2021年12月10日より引用