新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の重症化に対する過度な警戒感がやや和らいできた。
初めて確認された南アフリカの専門家らは、呼吸器官への負担が従来の変異型に比べて軽いと報告する。他国での感染事例でも、無症状や軽症の患者が多いようだ。
研究の蓄積はこれからで予断は許さない状況だが、医療システムや経済への負荷増を早期に抑え込める期待感が高まる。
南アフリカの医療機関の報告によるとデルタ型など従来の変異型は呼吸器系の症状が出やすいのが特徴。同報告書は「オミクロン型が重症化するかどうかの検証には時間が必要だ」と断ったうえで「これまでと異なる状況だ」と指摘し、オミクロン型の重症化リスクが低い可能性を示唆する。
南アフリカの新型コロナの新規感染者数は11月から急増しているが、1日あたりの死者数の増加は限定的だ。ハウテン州では集中治療室(ICU)や人工呼吸器の使用率も、デルタ型流行初期と比べて低位にある。
オミクロン型の重症化リスクを巡ってはなお不明な点が多ため、症例の蓄積が必要ではないか。
2021年12月8日日経新聞電子版より引用