オミクロン水際強化 日本政府

政府は4日、新型コロナウイルスの「オミクロン型」の水際対策強化で、検疫のための入国者指定待機施設が不足する懸念が高まっているとして、一部の入国者についてワクチン接種済みならば自宅待機にする措置に切り替えた。

オミクロン型関連で濃厚接触者の対象を広げたことで、待機施設が逼迫してきたことに対応する。待機施設も現在の7350室から2000室増やす。

政府は入国前に滞在した国の感染状況に応じて、14日間の待機期間のうち一定期間を空港周辺のホテルなど政府が確保した施設で、残りを自宅などで過ごすよう求めている。指定施設での待機期間は入国前の滞在国の感染リスクの高さに応じて3日、6日、10日と3段階に分けている。

そのうち比較的リスクの低い3日間の待機指定者について、ワクチン接種を条件に、はじめから自宅待機に切り替える。厚生労働省によると、オミクロン型以外の変異ウイルスの流行国として指定済みの計17カ国・地域から来た入国者が自宅待機切り替えの対象となる。

4日午前0時以降に入国した人が対象。政府は入国者にオミクロン型の陽性者が出た場合、飛行機の同乗者全員を濃厚接触者とする措置をとっている。そのため待機施設の利用者が増加し「近く足りなくなる恐れがある」(後藤茂之厚生労働相)という。

感染リスクの低い待機者には自宅で対応してもらうことで、オミクロン型関連の水際での隔離に必要な待機施設を確保するのが狙いだ。今回の措置で自宅待機に切り替える対象者には、3回分の抗原検査キットを配布し、数日おきに検査してもらうほか、健康確認の頻度も増やし体調の変化をつかめるようにして、感染者の検知体制が緩まないようにする。

あわせて待機施設を現状確保している7350室から9000室超に拡充する。より効率的に活用するため、チャーター機で入国者を成田から中部など空港間を移送し、待機施設に余裕がある空港に移ってもらう。同様の措置はこれまでも水際での検査が目詰まりした際などに実施していた。

オミクロン型をめぐっては連日新たに陽性者が確認される国が増え、同型の待機指定国も40カ国・地域となった。政府は海外からの新規入国を原則停止するなど、対オミクロン型の水際対策を強化している。当面1カ月程度は緊急措置を継続し、同型の感染者数や待機施設の利用率を見て対応を検討する。

今後、陽性者が増えるかどうかは、世界的なオミクロン株の広がりの状況次第で日本も臨機応変に対応策を検討せざるを得ないのではないかと思います。

日経新聞12月3日朝刊より引用