新たな認定基準では、業務の過重負荷を判断するにあたって、①長期間の過重業務、②短期間の過重業務、③異常な出来事、いずれかによる明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患を労災認定の要件とする考え方に変更はない。
これまで①長期間の過重業務の評価にあたって、発症前1ヵ月間に100時間または発症前2~6ヵ月間に月平均80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとしていた。
新たな認定基準では、この考え方を維持する一方で、時間外労働が上記の水準に至らなくても、それに近い時間外労働が認められ、さらに労働時間以外の負荷要因が認められる場合は、業務と発症の関連性が強いと評価できることを明示した。
これまでも労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮して判断するとされていたが、時間外労働が水準に達していない場合の労災認定件数が極端に少ない傾向にあることから、認定基準として明確化する。
このほか、②短期間の過重業務、③異常な出来事についても、業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を例示し、評価の明確化を図る。